質問:小5の娘は、選択肢を選んだり単語を答えたりは大体できますが、ある程度の長さの文で答える問題が苦手です。字数や指定語句を気にして、上手くまとめられないようです。今後は表現力が重視され、記述問題や指定字数も増えると聞きます。記述問題に答えるときに気を付けることや、どんな練習をすればいいかを教えてください。

基本は「本文中の言葉を借りる」

2020年の高大接続改革をうけて、若干の変更は生じていますが、依然として国語の問題では「解答者の考え」ではなく、「本文中に書かれていること」を答えることが求められていることに変わりはありません。したがって、記述式の問題の原則は「本文中の言葉を借りる」ことにあります。そこで大切なのは、本文中のどの言葉を借りてくるのかを速く、正確に見つけることであり、日頃の学習でもそのことに注意しながら問題を解く練習が必要になります。具体的には以下のような解き方を心掛けてみてください。

①「何を答えるか」をはっきりさせる

何かを作る時に「何を作るか」を決めずに作り始める人はいないと思います。これは国語の問題でも同じで、「何を答えるのか」をはっきりさせないまま本文中から答えの材料を探そうとしても上手く探せるはずがありません。ですから、まずは問いをよく読んで「何を答えなければならないのか」をはっきりさせましょう。

②材料を集める

「何を答えるか」が決まったら、その「何」について本文中のどこに、どんなことが書いてあるだろうかという視点で本文を読み直し、答えを作るのに必要な材料となる部分を探して、そのまま抜き出しましょう。指定語句が出てくる箇所は、解答のポイントになることが多いので要注意です。最初に本文を読むときに、どの辺りに何のことが書いてあるかを意識しながら読んでおくと、速く見つけることができます。

③材料を加工して答えを作る

材料が集まったら、問いに合わせて文末表現を決めます(例:理由を問われている→文末は「~だから。」)。それから、修飾語句を削ったり(例:とても長い一日が過ぎようとしていた→長い一日が過ぎようとしていた)、長い語句を短く言い換えたり(例:科学の研究をすること→科学の研究)して文字数の調整を行い、解答を作っていきます。このとき、解答欄がたくさん余るなら必要な内容が書けていない、解答欄が足りなければ余計な内容が含まれる、というように、指定字数も答案が適切かどうかのヒントになります。

答案を先生に見てもらうことが大切

以上のような方法で学習を進めていくことで、少しずつ記述問題を解く力を身につけていくことができますが、このとき一番大切なのは、書いた答案を必ず担当の先生に見てもらうことです。記述問題の採点は生徒さん自身ではできないことももちろんですが、それ以上に自分の答案に何が足りないか、またどうすれば〇がもらえる答案になるのかを指導してもらうことで、よりよい答案をつくることができるようになります。

全教研教務推進部 久保

教育相談室久保先生イラスト