質問:運動部に所属する中3です。夏の大会後に引退すると、勉強のための時間が増えます。今までは部活中心の生活で、勉強は苦手です。覚えている知識が少なく、教科によっては中2の範囲も怪しいぐらいです。生活リズムを上手く受験勉強モードに切り替え、これまでの遅れを取り戻すにはどうすればいいでしょうか。

まずは自分の生活時間を把握する

部活動が終わった中学3年生の皆さんの多くが「いよいよ勉強!でも、何から、どんなふうに始めればいいかわからない?」という壁にぶつかります。これまで生活時間の多くを部活動に費やしてきたので、いざ受験勉強!と思っても何をどうしていいのかわからないまま時間だけが過ぎていくということはよくあります。 そんな皆さんにお勧めしたいのは「自分の生活時間の洗い出し」という作業です。朝起きてから夜眠るまでの中で何にどれくらい時間を使っているかを曜日ごとに一覧表にしてみましょう。そうすることで「勉強に使える時間」がどれくらいあるかがはっきりしますので、この後の学習計画を立てやすくなりますし、気持ちの切り替えにも役立つと思います。

自分の弱点を知り、計画的に対策を考える

学習に使える時間を把握することができたら、次はその時間を「どう使うか」を考えていきましょう。このとき大切なのは「数学が苦手」や「理科が……」というような大雑把なとらえ方をしないということです。一口に数学が苦手と言っても、数学のテストでいつも0点を取っているわけではないのですから、「取れる=わかっているところ」と「取れない=わかっていないところ」があるわけです。そこで、これまでのテストの答案などを参考にして、それぞれの科目(特に数学と英語を優先して)の中で「これが出されたらヤバいっ」という単元を正しく把握し、その単元の克服を中心とした学習計画を立てましょう。

焦らず、自分のできる精一杯のことを続ける

以上の準備ができたら、いよいよ学習計画を立てることになりますが、このとき大切なのはいきなり「理想的な」計画を立てようとするのではなく、「ちょっと頑張れば実行できる」計画を作るということです。2学期に入ると周囲の生徒たちが自分よりも頑張っているように見えてしまい、ついつい無理をする人も多いようですが、無理は禁物です。周りを気にせず、「自分ができる精一杯」のことをやり続けることが勉強を長続きさせると同時に、成績をアップさせるポイントであることを忘れないでください。  現状を分析し、目標に向かって努力を続けるという点では、受験勉強も部活動と共通するところがあるでしょう。部活動をしていた人としていない人のこれまでの勉強量には、どうしても差があります。しかし、今後の過ごし方次第で、その差を挽回することは可能なのです。

全教研教務推進部 久保

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