質問:春から小4の息子には、ちょっとした注意不足での失点が多いです。後から聞くとできる問題も、一人でやると間違ってしまいます。字を丁寧に書かないなど、性格には大雑把なところがあると思います。内容が難しくなる前にミスを防ぐ癖をつけて欲しいのですが、どんな工夫をすればいいのでしょう。

ケアレスミスは学年や学力にかかわらず、誰にでもあるものですが、これを軽く考えてしまうと、同じミスを何度も繰り返すことになります。ケアレスミスがなくなれば、点数が上がるだけでなく、自信ややる気の向上にもつながります。そのための対策をいくつかご紹介します。

★問題文は2回以上読む習慣を

ケアレスミスの原因の一つに「問題の読み飛ばし・読み違い」があります。例えば、「次の中から、あてはまらないものをすべて選びなさい。」という問題で、「あてはまるもの」を答えたり、答えを「1つ」と決めつけたりするミスが考えられます。問題文はしっかりと2回以上は読み、条件や指示などのポイントになる部分にアンダーラインを引いたり、丸囲みをしたりすることが大切です。

★計算問題は途中式も丁寧に書く

算数で最も多いケアレスミスは、計算間違いです。繰り返し練習問題を解いて、計算のスピードや正確さを高めることが基本ですが、自分の書いた数字を見間違えたり、筆算の桁がずれてしまったりすることが原因になることも多いので、途中の計算式もはっきりとわかる数字で、焦らず丁寧に書くことが必要です。

★字は丁寧に書く

答えは合っているのに、字が汚かったり、数字が鮮明でなかったりして失点することもケアレスミスの一つです。日頃から丁寧に書くことを意識しないと、なかなか改善されません。字を丁寧に書くことがケアレスミス防止には意外と効果的です。

★見直しの習慣をつける

問題を解き終えると、それで満足してしまうお子様も多いようですが、見直しをする習慣をつけましょう。時間に余裕があればもう一度解き直すことが望ましいですが、時間が少ない時は、「読みづらい文字はないか」「問題文を読み違えていないか」「問題の指示を正しく守っているか」などをチェックするとよいでしょう。

★時間を意識して解く

ケアレスミスは、焦りの気持ちから生じることも多くあります。焦る原因は「制限時間」です。日頃からタイマーをセットしたりして、制限時間内に解き終える練習をしましょう。この問題はこれくらいの時間がかかるという感覚が身につくと、テストでも時間配分がうまくできるようになり、結果としてケアレスミスを防ぐことにもつながります。

最後に、ケアレスミスはしたくてしているわけではありませんから、お子様をしかってもあまり意味はありません。それよりも、具体的に対策を実行させてみることが重要です。本当はわかっているから問題ないと気に留めなかったり、性格だからしょうがないなどとあきらめて放置したりすると、いつまでも直らず、中学・高校でも同じミスを繰り返してしまいます。ケアレスミスを小さな失点と考えず、しっかりと対策をすることで、日々の勉強でも慎重さが増し、お子様の大きな成長にもつながることでしょう。  

全教研教務推進部 銭花 銭花先生