質問:小6の娘は算数が苦手です。放っておくと後回しにするので、いつも「早くやりなさい」と言って、サボらないように気を付けていますが、本人はいやいや勉強している感じで、集中力もすぐに切れてしまうようです。どうすれば苦手科目に積極的に取り組んでくれるのでしょうか。親や本人がやるべき工夫を教えてください。

気持ちから―勉強の目的をはっきりと

こういうお子さんは非常に多いのではないかと思います。対処の仕方としては、気持ちから入る方法と勉強の形から入る方法が考えられます。  まず、気持ちから入る方法ですが、お子さんと親御さん双方で振り返ってみてください。お子さんは、勉強することの目的をまだ十分に感じていないのではないでしょうか。漠然とでかまわないので、将来の夢やこんな人になりたいなど、勉強の目的になる事柄を自然と話してみましょう。その目的に到達するために、テストや高校受験・大学受験という目標が生まれます。お子さんはいやいやでも、なかなか集中できない中でも、「勉強はしなければいけない」という気持ちはあるようですから、目的や目標を意識した親子の対話をしながら、気持ちの面から「勉強は必要だ」という意識を根気強く作り上げていくことが必要です。そこを抜きにして頭ごなしに「早くやりなさい」と言っても説得力はありませんし、お子さんから返ってくる言葉(言葉には出さないかもしれませんが)は「うるさいなあ。今、しようと思っていたのに。」でしょう。  算数が苦手だから後回しにするという気持ちはよくわかります。お子さんも親御さんも知らず知らずのうちに「算数が苦手」と決めつけ、それを言い訳にしていることはないでしょうか? あくまでも算数は教科の一つです。算数ができなければダメだということはありません。算数を特別扱いせず、他の教科と同じように勉強すればいいんだというくらいの気持ちを親子で持ちましょう。そうすることで気持ちにも余裕ができ「苦手」という意識は薄れていきます。

勉強の形から―学習計画を立てる

次に、勉強の形から入る方法です。勉強に取りかかれない・集中できないというお子さんの多くは「勉強をどうすればいいのかわからない」場合が多いです。まず、1週間のスケジュール(学校・塾・習い事・趣味など)を見直して、いつ勉強ができるのかを明らかにすることが必要です。その上で、「少し頑張ったらできそうな学習計画」を立てます。初めからできそうにもない無理な計画を立ててはいけません。また、算数が苦手だからと言って算数の勉強だらけの計画はやめ、他教科とバランスのとれた計画を立てましょう。そのときに親御さんに注意してほしいことは、計画通りに勉強が始められるように協力すること、計画通りに勉強が始められたらしっかりほめることです。時間を決めて勉強することで集中力も身についてきます。  気になる算数の勉強の仕方については、塾の先生方に宿題や復習のやり方などについてアドバイスをお願いすると、より効果的な勉強ができるようになります。勉強の中身が伴ってくるまでは少し時間がかかるかもしれませんが、まず勉強の形から入って自分に合った勉強のスタイルを身につけていくことに注力していきましょう。小学生のうちに身についた家庭学習習慣は中学校や高校でも必ずお子さんを支えてくれます。  

全教研教務推進部 銭花  銭花先生