質問:息子は小4ですが、県立の中高一貫校の受検を考えています。選抜方法に「適性検査」とありますが、どのような対策をして臨めばよいのでしょう? 国語や算数と違い、どう答えれば正解なのかよく分かりませんし、対策をしてくれる場所も少なそうで不安です。また、読書や観察など、日頃から気をつけて取り組むことはありますか。

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中高一貫校は「難関校」対策はできるだけ早く!

  まず、県立中高一貫校の受検に関して、よく勘違いをされていることの一つに「合格難易度」があります。教科での選抜をしないので点数化が見えにくいのですが、特に重視すべきはその受検倍率。合格定員に対して2倍以上、多いところは6倍ほどの倍率となり、さらに第一志望とする方が多いので、ほぼ定員数しか合格者を出しません。受検倍率だけを見ると、難関私立中学に匹敵する合格難易度だということです。

 「県立○○中、受けるかもしれないなぁ」と思ったら迷っている暇はありません。すぐに対策を始めましょう。「適性検査」で求められるのは、思考力、判断力、表現力などの「自ら考え解決しようとする態度や能力」=「問題解決力」です。習ったことを繰り返し学習することで言葉や手順を覚える、いわゆる暗記重視の対策などは通用せず、一朝一夕で身につくものではないからです。

 日頃から問題解決力を養う

 私が最も効果的だと考えるのは、やはり対策をしている学習塾で授業を受けることですが、現在小4ということですので、そうした塾も少ないでしょう。そこで、普段の生活で「いつも『なぜ?』と疑問を持つこと」「自分や周囲の課題に気付くこと」「積極的にコミュニケーションを取ること」が重要となってきます。ものの道理、推理、仮説などの思考が生まれたり、どうすべきかの判断が必要となったり、上手く伝えるために表現を工夫したりするようになります。しかも、そのどれか一つだけがズバ抜けて得意でも、欠けていても駄目で、問題を解決する力として「連動している」ことも重要です。

 例えば、お子様に「雨ってどうして降るのかな?」と、疑問を投げかけてみます。そこで思考が生まれます。さらに、その答えに対して、「なぜ?」「なんでそう思う?」と常に問いかけることで、思考が深まります。場合によっては、正しい答えが知りたいと思い、その課題を解決しようとするかもしれません。また、分かりやすく伝えようとする力もつくでしょう。このように、ご家庭でもできる対策は色々とあります。

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講座で受検前から合格後も対策

  全教研でも「パズル道場」「プログラミング道場」「サイエンスFiVE」などの低学年からでも受講できる才能開発講座で、思考力や判断力はもちろん、表現力も磨くことができます。それらで問題解決力の基礎を身につけ、小5からの「適性対策講座」を受講されることがお勧めです。

 また、一般の公立中学校より進度が早く、内容が難しいのが県立一貫校の特徴です。合格後は入学式までに、「中学準備講座」などを利用して、中1から通う学習塾を決め、新教科の英語と数学を予習しましょう。余裕を持ってトップを目指せれば、県立中高一貫校へ進学した意味も大きくなるのではないかと思います。

回答:全教研適性検査対策部会
部会長 末松 良祐