見た人に感動してもらえる演技をしたい

 英語で「棒を回す」という意味のバトントワーリングは、バトンを使い、音楽に合わせて演技をする芸術性の高い競技です。チーム戦と個人戦があり、バトンの技術やパフォーマンス、作品の完成度などを競います。

バトン部4
 30年以上の歴史を持つ近畿大学附属福岡高等学校バトン部は、20年前から試合に出場。これまで世界大会、全国大会、九州大会の各大会で優秀な成績を収めてきました。現在の部員の約1/3は高校からバトンを始めた初心者ですが、今年も10月の九州大会で3位に入賞。12月開催のバトントワーリング全国大会(チーム戦)への出場を決めています。そんな近大福岡バトン部の強さの秘密はどこにあるのでしょうか?

   「『自分たちで考える力』を持っているところではないかと思います。部員は決められたことをやるだけでなく、常に何が自分たちに足りないかを考え、自主的に練習しています(顧問の益永早苗先生)」。この「自分たちで考える力」は、益永先生が指導を始めた25年前から受け継がれ、今では近大福岡バトン部の伝統となっています。

バトン部3
 バトンのチーム戦で最も大切なのがチームワークです。「チーム戦では、全員の動きが揃っていることが重要です。1人でも違う動きをするとだめなので、ひとつひとつを確認しながら練習をすすめています(キャプテンの熊本望美さん)」。部員には経験者もいれば初心者もいます。「それぞれ目指すところも意識の持ち方も違うので、それをどう縮め、意識を合わせていくかというところが難しいです」。みんなが1つの目標に向かっていくために、ミーティングをしたり、一人ひとりから話を聞いたり、アドバイスをしたり。部員同士、しっかりとコミュニケ―ションをとりながら練習しています。

バトン部2
 バトンの魅力について熊本さんは「踊り終わった後、見てくださった方から、感動したとか、演技よかったよと言ってもらえるところです。ほめてもらうとまたがんばろうと思います」と話します。12月にはバトントワーリング全国大会出場を控えているバトン部。熊本さんはキャプテンとしてチーム戦に臨むと同時に、個人戦の全日本バトントワーリング選手権全国大会出場を目指して練習しています。「チーム戦でいい結果を残せるように、そして、個人戦で九州大会を突破して全国大会に出場できるように練習していきたいです」。