質問:小4の息子は勉強を面倒くさがり,取り掛かるまでに時間がかかります。やっと手を付けても,集中できていないのではかどりません。学校の宿題は何とかさせていますが,もう少し自分から効率よく勉強するようにさせるにはどうすれば良いでしょう?せめて宿題ぐらいは勉強の習慣をつけて欲しいです。

家庭学習は「自ら学ぶ能力」の基礎

 「子どもに勉強の習慣をつけさせたい」と願う親御さんはたくさんいらっしゃいます。皆さん、同じような悩みを抱えておられます。勉強の目的は、「自ら学ぶ能力を身につける」ことです。自主管理が欠かせない家庭学習は、その大切な基礎となるものであり、そこには本人の意欲(やる気)が必要です。
 
1週間の過ごし方を見直し、無理のない学習計画を
 
 意欲(やる気)を持って家庭学習をするように育てるには、具体的な形から入ることをお勧めします。学校の宿題は何とかできているというレベルであっても、お子様には「勉強しなくちゃ」という意識はあるようですから、そのレベルを少しずつ高めてあげれば良いのです。そのために、お子様と一緒に1週間の学習計画を立てられてください。もし、塾に通っておられるのでしたら、塾の先生を交えて計画を立てるとより一層効果的です。家族だけでなく、そこに第三者の塾の先生が入ることで、お子さんに甘えを与えない効果があります。

 まず、1週間の生活の現状を明らかにしましょう。起床や就寝時間、何曜日の何時から何時までは〇〇の習い事、テレビやゲームにどのくらい時間を使っているのか、学校の宿題はいつやっているのか、などの具体的なようすをお子さんと一緒に紙に書き出して認識します。そして、最初は1日に30分ずつでもよいので、自分ができそうな家庭学習をする時間を決めます。初めは「ちょっと頑張ったらできる計画」でよいのです。とうてい達成できないような無理な計画ではいけません。

 

家庭学習レベルを高める工夫

 ついでにテレビやゲーム、マンガ、遊びなどの時間も決めて、認めてあげればお子さんも納得するはずです。これでお子さんの家庭学習レベルは1つ上がります。

 親としては「もっと勉強させたい」と思うかもしれませんが、その気持ちはぐっと抑えて、まずは学習計画が実行できるように応援してあげましょう。お子さんが勉強している時間はテレビを消す、親も本を読む、実行できたらカレンダーなどにシールを貼って毎日の頑張りが目に見えるようにするなどの工夫も効果的です。

 
子どもに寄り添いながら、焦らず一歩ずつ

 学習計画が実行できたら、「あなたが頑張っているから、私はとてもうれしい。」と、お子さんをほめてあげてください。もし、うまくいかないときは、「うまくいかない原因は何かな?」と、もう一度お子さんの気持ちをよく聞いてあげて、その原因を取り除く手助けをしてあげてください。小学生が「自ら学ぶ能力を身につける」ことは、そうたやすいことではありませんが、うまくいったりうまくいかなかったり、その繰り返しの中で少しずつ養われていくものだと思います。

回答:全教研教務推進部 銭花昌吾