夏の風物詩として有名な「七夕」。その発祥の地と言われる場所のひとつが、福岡にあることをご存知ですか?

 それは、玄界灘に浮かぶ、福岡県宗像市の大島…いわゆる筑前大島です。大島には宗像大社の三宮の一つ、中津宮があります。中津宮にはもともと宗像三女神のうちの一柱、「湍津姫神」(たぎつひめのかみ)が祀られています。ですがそれとは別に、境内の中には織女神社(織姫)と牽牛神社(彦星)の二つの神社が祀られているのです。二つの神社の間には、湧き水の流れる「天の川」まであるそうです。その昔、唐の国に使えた貴公子と、彼が連れ帰った織女との悲恋にまつわるロマンチックな伝説も残されていて、それこそが「天の川伝説」発祥の地といわれる所以なのです。

 七夕はもともと中国由来の伝説と言われていますので、いかにも太古から文化交流の要所であった宗像らしいエピソードだとは思いませんか?そして中津宮では、旧暦の七夕にあたる八月七日に、盛大な七夕祭りが催されます。この中津宮七夕祭、なんと800年前…鎌倉時代から続く歴史のあるお祭りなのです。西暦1346年に記された古書「正平年中行事」にも既に記述されているんですよ。

 意外と近くにある歴史ロマンに想いを馳せるのもいいかもしれませんね。

 みなさまの願いが叶いますように。